前奏

前奏は、もともとは入堂の時でした。小金井緑町教会の礼拝においては、以下のように前奏を意味づけます。
礼拝は聖別(特別に選び分けるという原意)された特別な時と場です。前奏は、礼拝という聖別された時と場の入り口にかかっている「幕」(仕切り)です。これをくぐって御前(みまえ)に出るのです。聖なる神との会見の幕屋の内に入る行為です。そこは神が「わたしはその場所で、あなたたちと会い、あなたに語りかける。そこは、わたしの栄光によって聖別される」(出29:42-43)と言われる場所です。履き物を脱ぐようにモーセが言われた聖なる領域が幕の向こうに備えられています。
前奏は、この幕をくぐって、神の御前へと進み出る時です。前奏に先立って静かに入堂し、黙祷(黙想)をもって、心の履き物を脱いで備えます。
前奏の時、牧師と司式長老が入堂します。元来、司式者や奉仕者が行列して入堂し、会衆もこれに加わって入堂することもしばしばあったようです。主が弟子たちのもとに歩み寄って来られたように、「ロゴス」(ギリシア語で言葉という意味)なるキリストの来臨を、礼拝の奉仕者が御言葉を携えて来ることと合わせて覚える時としたいと願います。
「礼拝とは何か」を知るが故に、招詞の間際に駆け込んでくるのではなく、前奏のはじまる前にあらかじめ入堂し、静かな沈黙と祈りをもって備えましょう。やむを得ず遅れて来た場合は、原則として讃美の時に入堂して下さい。特に祈祷と聖書朗読の時は入堂不可です。