『エリン・ブロコビッチ』

2000年 アメリカ
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
出演:ジュリア・ロバーツ、アルバート・フィニー
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 私はエド・マスリー。小さな訴訟を地道にこなしてきた弁護士だ。歳のせいで体にガタがきている私の夢は、「安楽な老後」。だけどある日、私の前に彼女は突然現れた。着てる服も言葉づかいも、下品でスレッカラシそのもの。「元ミス・ウィチタ、独身、離婚歴2回、子ども3人、無学、無職、預金残高16ドル」の彼女は、とっても押しが強くてね。気がつけば、うちの事務所で働いている! 最初はやっかいな女だと思ったよ。でも彼女は「本物」だった。彼女には情熱と根性と正義感があり、なによりもまじめで誠実。彼女が相棒だったからこそ、あの公害裁判で大企業から全米史上最高額の和解金を引き出すことができたのさ。彼女の名前? エリン・ブロコビッチだよ!

 これはスター女優ジュリア・ロバーツにアカデミー賞主演女優賞をもたらした娯楽作品。
 エリンは社会の底辺に生きる女性。良い夫に恵まれず、1人で懸命に子育てをしているが、ある事故で仕事までも失う。そんな彼女に世間は、そして後に相棒となる弁護士エドの目は厳しい。「ルックス抜群&中身ゼロのシングルマザー」と烙印を押されたエリンだが、偶然手にした書類が、彼女の運命を変える。ある企業が住民の健康をむしばむ毒を垂れ流しているのではないかと、疑念を抱くエリン。不正を暴き、自分と同じ弱者のために働くことが大事だとわかっていた彼女は、大きな不安を抱えながらも、ひとつずつ壁を乗り越えていく。そして、そんな彼女の姿を目の当たりにし、「人間的に見て知恵のある」エドは、自分の目がいかに曇っていたのかと気づくのだった。
 忙しい毎日に信仰を忘れ、エリンに出あう前のエドのように、自分の知識や経験だけで物事を判断する。私たちもしていませんか?

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兄弟たち、あなたがたが召されたときのことを、思い起こしてみなさい。人間的に見て知恵のある者が多かったわけではなく、能力のある者や、家柄のよい者が多かったわけでもありません。ところが、神は知恵のある者に恥をかかせるため、世の無学な者を選び、力のある者に恥をかかせるため、世の無力な者を選ばれました。また、神は地位のある者を無力な者とするため、世の無に等しい者、身分の卑しい者や見下げられている者を選ばれたのです。それは、だれ一人、神の前で誇ることがないようにするためです。
コリントの信徒への手紙一 1章26節〜29節




  

日本キリスト教団出版局『信徒の友』2007年6月号 「ビデオをみる」より転載
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日本キリスト教団出版局 公式サイト :  http://www.bp.uccj.or.jp/index2.html

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