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みなさんの中には、サンタクロースの名前が聖ニコラウス(St.Nikoraos)に由来することをご存知の方もいらっしゃると思います。
さて、聖ニコウラスとはどんな人物だったのでしょうか。
聖ニコラウスは、4世紀に小アジア(現トルコ)のミュラ(Myra)の主教(司教)でした。
生没年も255年〜333年という説や270年〜342年という説などいろいろあるようですし、虚実入り混じった伝説の多い人物のようです。
没したのは12月6日で、この日が聖ニコラウスの祝日となっています。
ミュラという地名を聞いたことのない方もいらっしゃるでしょうが、ミラといえばお分かりの方もいらっしゃるでしょう。
そうです。パウロがローマに旅行したとき、船を乗り換えたところです。
「キリキア州とパンフィリア州の沖を過ぎて、リキア州のミラに着いた。ここで百人隊長は、イタリアに行くアレクサンドリアの船を見つけて、わたしたちをそれに乗り込ませた。」(使徒言行録27:5)
新共同訳聖書巻末地図の「9.パウロのローマへの旅」で確認してみてください。
聖ニコラウスは、ギリシアとロシアの守護聖人で、正教圏では現在もビザンティン時代の主教ニコラオスとして崇敬されています。
10世紀以降、イコンなどに描かれるようになりました。(イコン=板や壁にキリストや聖母、聖人の肖像・事績を描いたもので、特に東方教会の礼拝で使用される礼拝用画像)

↓↓聖ニコラウスのイコン   サンタクロースに似てるかな。
  
右の人物が聖ニコラウスです。
    
サンタクロースとは全然似ていませんでしたねぇ。
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聖ニコラウスにはさまざまな伝説が伝えられています。

ニコラウスはギリシアの都市パトラスの裕福なキリスト教徒の家に生まれましたが、生まれたその日に浴槽の中で立ち上がったそうです。また、水曜日と金曜日には断食の斎日のように、母の乳房を一度しか吸わなかったと伝えられています。
どこかで似たような話を聞いたことがあるような。。。
聖ニコラウスは「子供の守護聖人」
聖ニコラウスのおかげで息子を授かった或る金持ちは、家に礼拝堂を建てて毎年聖ニコラウスの日を祝っていましたが、あるとき、この息子がアラブ人に誘拐され王の奴隷として惨めな日々を送りながら楽しかった聖ニコラウスの日のことを思い出していました。そのことを知ったアラブ人の王が「決してお前をこの国からださないぞ!」と言うと、突然つむじ風が起こり、王宮から少年を連れ去り、ちょうど両親が聖ニコラウスの日の祝いをしている礼拝堂の前に戻したのでした。

フランスの田舎のある肉屋が、落穂ひろいに来ていた3人の子供を殺して、バラバラにし塩漬けにしてしまいました。7年後にニコラウスがその肉屋の前を通りかかり、肉屋に一夜の宿をたのんだところ、夕食にハムと子牛の肉料理が出てきたので、ニコラウスが「7年前のあの塩漬けの肉が欲しい」と言ったところ、肉屋は仰天して逃げ出してしまいました。そこでニコラウスが塩漬けの桶のふたに3本の指をのせると、3人の子供が目を覚まして出てきました。

これらのほかにも、死んだ子供を生き返らせたり、ゆでられた子供や焼かれた子供、絞め殺された子供を生き返らせたりしたという伝説がたくさんあり、「子供の守護聖人」として広く崇められていました。
遠藤紀勝・大塚光子著「クリスマス小事典」(社会思想社)
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聖ニコラウスは「乙女の守護聖人」
3人の娘を持つ落ちぶれ貴族が居ました。生活が苦しいので娘を結婚させることもできず、逆に娘を娼婦にしてその稼ぎで暮らすことを考えていました。
それを知ったニコラウスは驚き、金貨を包んで、夜中密かにその貴族の家の煙突から投げ込みました。その金貨の包みは、暖炉に干してあった靴下に落ち込み、そのお金で長女は無事に結婚できました。ニコラウスはその後も二度三度と金貨の包みを投げ込んだので、その都度次女三女も結婚できたのでした。
この伝説から、聖ニコラウスは「乙女の守護聖人」としても広く崇められていました。                  
聖ニコラウスは「船乗りの守護聖人」
あるとき、船乗りたちが大嵐に遭いました。ニコラウスの偉大な噂を聞いていた船乗りたちは、ニコラウスに助けてくれるよう祈りました。すると突然ニコラウスらしい人物が現れて舵をとると、たちまち嵐がおさまり、海は静かになって無事航海を続けることができました。
船乗りたちはミュラの港に着くやニコラウスの教会に行ってみると、嵐の海に現れた人物とそっくりのニコラウス主教に会うことができました。

このほかにも、船乗りの祈りに応えて生前、死後ニコラウスが船を遭難から救ったという奇跡の話は数え切れないほどたくさんあるそうです。

この伝説から、聖ニコラウスは「船乗りの守護聖人」としても広く崇められていました。
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聖ニコラウスは、さまざまな「守護聖人」
このほかにも、聖ニコラウスには数多くの奇跡伝説があり、「商人の守護聖人」「質屋の守護聖人」「パン職人の守護聖人」「肉屋の守護聖人」「仕立て屋の守護聖人」「織物職人の守護聖人」「公証人の守護聖人」「弁護士の守護聖人」などとして崇められ、ビザンティン帝国のあちこちに聖ニコラウスの名を冠した教会が建てられました。当時の東方正教会では聖人のなかでマリアに次ぐ人気聖人だったようです。
ロシア(当時はキエフ公国)も東方正教会を国教に定めたとき、使徒アンデレと共に聖ニコラウスを「ロシアの守護聖人」にしました。
後で紹介しますが、アメリカの「ニューヨーク市の守護聖人」も聖ニコラウスです。


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