『サン・ジャックへの道』 |
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2005年 フランス 監督:コリーヌ・セロー 出演:ミュリエル・ロバン、アルチュス・ド・パンゲルン |
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ようこそ、サンティアゴ巡礼の旅へ。私はツアーガイドのギイです。サンティアゴとはスペイン語で聖ヤコブのこと。フランス語ではサン・ジャックと言います。この聖ヤコブを埋葬したとされ、9世紀、これを記念した教会が建てられたスペイン北西部の街サンティアゴ・デ・コンポステーラは、カトリック世界ではエルサレム、ローマと並ぶ、3大「聖地」の一つなのです。 今回はノートルダム大聖堂のあるフランスのル・ピュイから、ピレネー山脈を越え聖地まで、1500キロメートルを歩きます。 旅のメンバーは総勢9名。まずはガイドである私。会社社長のピエール、高校教師のクララ、アルコール依存症で一文無しのクロード、の3兄姉弟。ピクニック気分で参加の女子高校生、エルザとカミーユ。カミーユに片思い中のアラブ系少年サイッドと、彼の従兄弟のラムジィ。そして物静かな女性マチルド。 旅が始まってまもなく、3兄姉弟はケンカを始めました。彼らは亡き母の遺産相続の条件として、この巡礼に参加したんですが、ずばり険悪の仲。エルザとカミーユは、これまたスゴい大荷物。あれじゃあ、長距離を歩くのは無理ですね。ラムジィはこの巡礼をメッカ巡礼だと思っています。どうやらサイッドに騙されている様子。ラムジィは巡礼中に自身の失読症を克服して、母親を喜ばせるつもりでいるようですが。マチルドは頭にいつもスカーフを巻いています。一時たりとも外しません。何か、隠したいものがあるのでしょう。かくいう私も今、我が子が病気なのです。妻は帰ってきてほしいとなじりますが、家族を養うためには、仕事を放り出すわけにはいきません。悩みや不安で、私たちの心はバラバラです。 聖地へと続く道はデコボコで、山あり谷あり。私たちは聖地に辿り着けるのでしょうか? 辿り着いた先で、何を見つけるのでしょう? |
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ヤコブとはイエス・キリストの十二使徒の1人である。ヤコブと弟ヨハネはガリラヤ湖の漁師だったが、イエスに出会い、共に彼の弟子となった。スペインでの布教活動後にエルサレムに帰還したヤコブは、ユダヤ人の心を掴もうとしたヘロデ王によって捕らえられ、殉教した。 スペイン北西部にあるガリシア自治州の首都サンティアゴ・デ・コンポステーラで、そのヤコブの遺体が発見されたといわれている。そして「ヤコブが埋葬された地」を記念して建てられた教会には、毎年世界中から多くのカトリック信者が巡礼に訪れている。巡礼者たちは首や荷物に帆立貝の殻を下げて、この地を向かう。教会のある旧市街は、1985年にUNESCO(国際連合教育科学文化機関)によって、世界遺産に登録されている。 |
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日本キリスト教団出版局『信徒の友』2008年2月号 「ビデオをみる」より修正・転載 この転載については、日本キリスト教団出版局の許可を得ています。 日本キリスト教団出版局 公式サイト : http://www.bp.uccj.or.jp/index2.html |
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